出来事に意味を見つける「三十光年の星たち」

お気に入りの本とはなんでしょうか。
小さい頃から何冊も本を読んでいますが、自分にとって本当にお気に入りの本ってなんだろうと考えることがあります。

その時々によって読みたい本のジャンルはバラバラ。

印象に残った本、新しいことに気づいた本、感動して心動かされた本、いろんな本があります。

お気に入りの本とは何度も手にとり、何度も読みたくなるもの。

「いつまでも手放したくない本」のことを言うのかなと最近思います。

今日はそんな「お気に入りの本」を紹介。

尊敬する人から紹介してもらった本。お盆休みを使い、再度読んでみることにしました。

目次

三十光年の星たち 上下巻

宮本輝さんが書いた「三十光年の星たち」

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1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、1977年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため二年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『流転の海』『優駿』(吉川英治文学賞)『約束の冬』(芸術選奨文部科学大臣賞)『にぎやかな天地』『骸骨ビルの庭』(司馬遼太郎賞)『水のかたち』『田園発 港行き自転車』等著書多数。2010 (平成22)年、紫綬褒章受章。

新潮社HPより

「輝=てる」と読むんですね。あきらさんだと思っていました。

後で知ったことですがこの小説は新聞小説といい、2010年の1年間、毎日新聞に掲載されていたそうです。

ゼロよりもマイナスからのスタート

仕事を失い、彼女に逃げられ借金を抱え、親から勘当された青年坪木仁志が物語の主人公。

この青年にお金を貸した老人佐伯平蔵との出会いにより、青年の人生が大きく変わりだします。

物語の前半で老人は青年にこう語ります。

現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ。現場が発しているかすかな情報から見えない全体を読み取りなさい

上巻 P108より

以前読んだときは「見えるものだけを見よう、見えるものだけをカタチにしようとしている」自分の存在に気づき、悔しくなりました。

目指すものが定まらず、ただぼんやりと進んでいた僕にはこの言葉が刺さりました。
今は自分の中でスーッと芯が通り、目指す場所が定まりつつあります。

努力を積み重ねた人たちとの出会い

物語の中で主人公は「素晴らしい人たち」と出会います。
一人一人の登場人物に華があり自分の生きる意味、
自分の目指すものを見つけどんなに辛いことが待ち受けていても、愚直に努力を積み重ねてきた人たちです。

素晴らしいというのは地位が高い、お金持ち、容姿端麗ということを含むのではなく
「人として魅力がある」ことを言います。出会うべくして出会う。

日常生活の中で、沢山の人と出会いがあります。

その時にその人の外面ばかりを見て内面を見ることが出来たいるのかを振り返りました。
これも「見えないものを見ようと努力するタイプ」に繋がると感じました。

30年の年月が持つ意味

25歳の僕ですがこの物語を通して人間の30年間について考えることができました。

なんとなく過ごす時間よりも何か目的を持ち意味を見出し、色んな経験をした30年後の自分に会いたいと。

55歳になった自分は何を考えているのかは未知数ですが。

勿論、人生はどこでどうなるのかなんて誰にもわからない。
もしかしたら明日、震災にあうかもしれない
もしかしたら次の瞬間、事故にまきこまれるかもしれない
それでも間違いなく自分はここにいて、大切な人たちがいる。

30年後、誰とどこで何をしていようと自分の大事なヒト、モノを守れる人間でありたい。

「これでいい」ではなく「これがいい」とていねいにこだわれる人間でありたいです。

カズマ

お盆休みを満喫できました!

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