【改名】理由の書き方「性同一性障害当事者向け」テンプレート付き

性同一性障害当事者が戸籍上の名を変更したいと望んだとき、指定の手順を踏めば自認する性の名に変えることが可能。

当事者が改名を希望すると、家庭裁判所へ名の変更許可を求めた申立てをしますよ。

正当な事由によって,戸籍の名を変更するには,家庭裁判所の許可が必要です。正当な事由とは,名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合をいい,単なる個人的趣味,感情,信仰上の希望等のみでは足りないとされています。

裁判所HP

申立てに必要な書類を一式揃えた。でも、どうやって申立書を記入したらいいか分からない人にむけた内容です。

この記事では、性同一性障害当事者が改名をするとき、必要事項を記入する申立書のうち理由の書き方を見本付きで紹介します。

カズマ

皆さんのお役に立てば嬉しいです!

目次

性同一性障害当事者の改名理由

2つテンプレートとなる見本を書いてみました。記入時の参考に保存できる画像と、文章をコピーして貼り付けできるよう、両方の形式で準備しました。

申立て理由のテンプレート

僕が改名の申立てをしたとき、実際に記入した内容とほぼ同じもの。

申立人は、幼少期より自身の性に違和感を感じ、◯才よりカウンセリングを受診しています。
そして、◯才に性同一性障害の診断を受けました。(診断書添付)

現在はホルモン療法を実施し、見た目を自認する性に近付け、日常生活では「男性」として過ごしております。

しかし、現在の女性的な名前では、本人確認の際に見た目と名前が異なるため、日常生活を過ごす上で支障をきたします。

その都度、自身の事情を説明することで、苦痛を感じることもあります。

そのため、◯才より使用している通称名○○を、戸籍上の名として正式に使いたいと強く願います。

上記の理由より、名の変更を申立ていたします。

就職活動を控えている当事者向けの見本を作成しました。

申立人は、◯才に性同一性障害の診断を受けてから、自認する性別で生活しています。

家族の理解があり、両親に新しい名前も考えてもらいました。

現在、通っている大学やアルバイトでは通称名を○年ほど使用しております。

しかし、今のままでは就職活動を行う際に、自身の希望しない名前で履歴書を書く必要があります。

戸籍の名を書く行為は、自らの性別を意識させられるので、精神的な苦痛を感じます。

そのため、就職活動が始まるまでに、名を○○に変更することを希望します。

周囲には通称名のほうが認知されているので、変更後の混乱はありません。

上記の理由より、名の変更許可を申立ていたします。

上記テキストはコピーすることが可能です。しかし、テンプレートはあくまでも見本です。

完全に同じ内容を丸写しするのではなく、自分が日常生活で感じている苦痛や、直面している困りごと、改名したい気持ちを書き入れることをオススメします。

申立書の書き方に「100%絶対!安心!」と言う正解はないです。

改名を終えた今だからこそ「一番いいのは自分の言葉で書くこと」だと思います。

改名を望む=名前で悩んだ経験があるはず。自分で選んで新しい名前で人生を進みはじめる第一歩が、申立書の記入。

必要書類を準備し、手順通りに進めれば許可はおります。

記事内に掲載しているテンプレートを丸写しして理由を書けば、100%家庭裁判所から許可が出る保証はできません。ご了承ください。

カズマ

ていねいに書けばOK!

改名の申立てに必要な書類

3種類の書類が必要。

申立てに必要な書類
  1. 申立書
  2. 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  3. 名の変更の理由を証する資料

改名に必要な申立書のなかでも、特に悩む箇所が申立書の理由です。

改名理由が、性同一性障害当事者向けのため、その他の理由で改名を考えている人の参考にはなりません。

別記事では性同一性障害当事者の方が改名するとき「必要な手順と準備物」について書きました。よければこちらも見てください。

裁判所のHPから申立書を取得

まずは申立書を手元に用意します。

会社員として企業に勤めていたり、学生で学校やアルバイトがあると、なかなか用紙1枚を受けとるために、家庭裁判所へ足を運ぶことは難しいかもしれません。

でも、忙しくて時間がない人も安心してください。

わざわざ家庭裁判所へ訪れなくても、裁判所のホームページ上から用紙をダウンロードすることができます。

僕はダウンロードしたものを印刷して記入しました。

ダウンロード可能なリンクを貼っておきますね。

裁判所のHPへいくと記入例も載っています。前半部分は以下のページを参考にして書いてください。

申立人の年齢が15才未満か15才以上で、記入例が異なります。15歳未満のときは法定代理人が代理することになります。

性同一性障害当事者申立ての趣旨

重要な後半部分を解説していきます。

申立人の名(   )を(   )と変更することの許可を求める。

ここはそのままですね。

僕の場合は

申立人の名( 唯 )を( 和真 )と変更することの許可を求める。

と言う書き方になります。

僕は改名をしてから6年経ちます。

6年間で性同一性障害の理由以外で、自分の名を変更した人にまだ出会ったことがありません。

そもそも日常生活のなかで「名を変えたことがあります」って会話になりませんよね。

参考までに8つの理由を調べてまとめてみました。

改名申立ては8,その他

今回のメインである申立ての理由

  1. 奇妙な名である。
  2. むずかしくて正確に読まれない。
  3. 同姓同名者がいて不便である。
  4. 異性とまぎらわしい。
  5. 外国人とまぎらわしい。
  6. 平成○年○月神官・僧侶となった(やめた)。
  7. 通称として永年使用した。
  8. その他 (                                                       )

1~8の理由から8.その他にマルをつけます。カッコのなかに「性同一性障害のため」と記入。

「名の変更を必要とする具体的な事情」の欄には、自分が改名をしたいと思うポイントを書きます。

  • 性同一性障害について
  • 名に対する精神的苦痛
  • 日常生活での困りごと
  • 進学、就職への影響
  • 治療の予定

主に上記のような困りごと、課題が考えられます。

すべて書くのではなく、自分が書きやすい理由をまとめましょう。

要点を抑えてあなたの改名したい理由を記入すれば、許可がおりるはず。

大切なことなんだけど、あまり悩みすぎ考えてみてください。

カズマ

僕は改名して本当によかったです!

改名後の手続きはこちらの記事で解説しています。参考にどうぞ。

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